恋の施し
「ねぇ、郁。“そういう関係”ってどういう関係?」
仕方がないので郁に尋ねる事にする。
やっぱり親友って事なのかな?それとも…
よく男女の親友なんてあり得ないと聞く。
だけど、私にとって郁はやっぱり頼れる存在で…とても近い存在なんだ。もう、家族ぐるみの付き合いだし。
だから郁もこの前父親気分とか言ってたんだと思う。
他の人にはそうはうつったりしないのかなぁ…
それってちょっと悲しいというか何というか…
「さぁな。俺にも分かんねぇ」
郁は意外にもはぐらかして寂しそうに答えた。
郁なら知ってるような気がしたけど…何故かその表情を見ると無理に問い詰めることは出来なかった。
問い詰めたら、大切な何かが壊れそうな気がしたから。