恋の施し
「おいし〜っ!」
シャリッとした頭の引き締まるような冷たい食感に、口の中が癒される。
喉を通る抹茶の冷たさが何とも言えない。たまには抹茶味も良いかも。
「それは良かった」
「あ、後でお金返すね」
小銭を持ち合わせておらず、情けなくも郁におごってもらってしまった。
「良いんだ。デートは男が女に奢るもんなんだから」
「うーん…何か気が引けるな…」
「じゃあ、キスの1つでもしてやれ。そしたら喜ぶ」
そ、そんな大胆な…
私には無理だよ…
しかもそれ、割に合ってないよね?
そう郁に尋ねたけれど、
「好きな奴にされるなら俺は大歓迎だけど?」
と真顔で返答されたのでそうなんだ…と勝手に解釈させていただく。いや、出来る出来ないの問題は置いておいて。それはそれ。これはこれだ。
あ、そういえば…