恋の施し
「あぁ…だから、“抹茶”にしたのか」
「違うよ。抹茶が食べたかったから」
郁は抹茶のアイスが好き。というより抹茶しか食べられない。
「気なんか遣わずにバニラにすれば良かったのに」
私の好きなアイス、覚えてくれてたんだ。
最近一緒にアイスなんて食べないのに…
「遣ってないから。ほら、食べて。…って奢ってもらった私が言えることじゃないけど」
今更私達は間接キスは気にしない。郁も言ってた通り家族みたいなものだからね。
「ありがとう、いただくな―――関節キス」
「!!」
…だけど、何故か今日は気にしてしまう自分が少しいた。
郁の冗談で言った言葉に過剰に反応してしまう。
……何でだろう。
もー私、訳わかんない。