恋の施し


それは私が中学に入学して間もない頃の事だ。


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「響花って綺麗な名前だよね」




「あ、ありがとう…」




私はクラスメートの二ノ宮君に校舎裏に呼び出されていた。

彼とはたまたま席が隣同士で、とても気兼ねなく話せる人だった。
顔立ちはいかにも育ちの良さそうな好青年って印象で、男子にしては少し長い黒髪がとてもよく似合っていた。


だけど、呼び出された場所は茂みが多くてとても気味の悪い場所だ。まだ昼下がりなのにちょっと暗いし…なんか恐い。




「それに、顔も俺の好みなんだ」




だけど、そんな私を気にした様子もなく二ノ宮君はニコリと笑いながら続ける。




「…え?」




「好きなんだ。まだ会って間もないけど俺、響花のことが好きなんだ。

――…だから、付き合ってくれないか?」




私はこの時、人生で初の告白をされた。
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