恋の施し


「郁?」




「………!き、響花、何だ?」




郁に近づいて尋ねると、郁は慌てて距離をとりながら逆に聞き返してきた。
さっきよりも顔が赤くなってる。…一体どうしたんだろうか。




「顔赤いよ、風邪?」




そんな体調悪そうには見えないけれど。
念のため聞いてみる。


風邪なのにこんな相談しても悪いしね。




「響花、それはほっといてあげなさい。

ほら、早く人気のないとこ行こ?」







まぁ、雪音がほっとけって言うなら放っておくか…





そうして私達は、校舎裏に行き着いた。
< 7 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop