恋の施し
「郁?」
「………!き、響花、何だ?」
郁に近づいて尋ねると、郁は慌てて距離をとりながら逆に聞き返してきた。
さっきよりも顔が赤くなってる。…一体どうしたんだろうか。
「顔赤いよ、風邪?」
そんな体調悪そうには見えないけれど。
念のため聞いてみる。
風邪なのにこんな相談しても悪いしね。
「響花、それはほっといてあげなさい。
ほら、早く人気のないとこ行こ?」
?
まぁ、雪音がほっとけって言うなら放っておくか…
そうして私達は、校舎裏に行き着いた。