恋の施し
「おっはよ!響花!」
学校に着くと一番に雪音が声をかけてきてくれた。
いつもと変わらないといった態度で接してくれるのも今の私にはとてもありがたかった。
「おはよう、雪音。……郁は?まだ学校に来てないの?」
家が近くても私達はバラバラに登校していた。
と言っても私が寝坊助だから、いつもギリギリになって待ち合わせが無理なだけで、郁と雪音は一緒によく登校してるみたいだ。
家が近所なら登校する時間は普通被るしね。
「あぁー…今日は休むって言ってたよ?」
「そっか」
何か郁ともどんな顔して話せば良いか分からなかったから、ちょっと安心してしまう。
失礼ながらにもそう思ってしまった。