恋の施し
「あぁー楽しかった〜!!久しぶりの遊園地も良いもんだね!」
足は歩きすぎてクタクタだったけど、それよりも今は楽しさが勝っていた。
郁と久しぶりにこんなに話して笑って。
時間がこんなに早く経つ事を少し恨めしく思ったりしていた。
「そうだな…もうこんな時間か…
じゃあ、まぁベタかもしんねーけど最後に観覧車乗って帰るか?」
もう辺りはほんのり暗くて。
自分の腕時計の時間を見ると、18:30を少し過ぎている時間だった。
ベタの意味がイマイチ分からなかったけれど、まだ乗っていない観覧車にワクワクしながら私は「うん」と言って頷いた。
そして私達は手を繋ぎながら、観覧車の方へと歩き出す。
もう、辺りが暗いのと手を繋ぐことに違和感を感じなくなっていた私は郁を引っ張りながら目的地へ向かった。