恋の施し
「綺麗だねー」
私は外の景色を眺めながら郁を見る事なく言葉を発する。
「そうだな…響花、こっちに来いよ」
そう言うと郁が、窓にのせていた私の手を少し強引に引っ張り、私は郁の隣に居座る事になってしまった。
「…狭いよ?」
「良いから」
…なんだかこの微妙な距離感が恥ずかしい。
しかも何気に抱き寄せられてるし…
「響花…」
そして郁は結局私を優しく抱きしめた。
郁の体温が伝わってくる。
…今日歩いて汗かいたからなぁ…汗臭くないと良いんだけど…