恋の施し


「んで、俺に相談って何だ?」




するともう普段通りの郁に戻っていた。雪音の言うとおり放っておいても大丈夫だったようだ。




「うん…あのね、私に恋の技といいますか術といいますか…を教えてほしいの」



い、言えた!!

ちょっと言葉が滅茶苦茶なのは許容範囲だ。うん。大丈夫…なはず。



「は?」




うわー…雪音と同じ反応しないでよー


やっぱりアレだけじゃあ、大丈夫じゃなかったか…



そう思って、俯いきしょぼくれていた時だった。




「……もしかして響花、好きな奴が出来たのか?」




さすが恋愛のプロ。
もう見抜かれた。


私は何だかその事実を言葉にされた事がやっぱり恥ずかしかったので黙って頷いた。

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