ボーダーライン





「ありがと…先生!先生は、明日の卒業式出席するよね?」



先生の中には、体育館の外で待っていなきゃいけない先生もいるみたいだし…。



「出席するよ…って言っても、体育館の後ろから見守るだけだけどな!」



「そっか…良かった。」


聞こえるか聞こえないかぐらいの声で言った。



「え…何?」


「なんでもないよっ!」


私が卒業するところ、ちゃんと見ていてほしかったから…。


とりあえず良かった。





「じゃあ私、そろそろ行くね!バイバイッ!」



「バイバイ」



卒業アルバムを大事に抱え、校舎に帰って行った。



先生まだいるかな…


一度だけ振り返ると、まだそこにいた先生と目が合った。



大きく手を振ると、大きく手を振り返してくれる先生。



最後の2人だけの時間。



ああ…もう…ほんとに卒業しちゃうんだ。






明日の卒業式、笑ってみんなとさよならしたいな…










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