ボーダーライン
体育館を出ると、保護者と在校生が花道を作ってくれていた。
担任の先生を先頭に、花道をみんなで通った。
大泣きしているまなは、私の手をぎゅっと握っていた。
花道の中に、スーツが似合う大きな人がいる。
先生…
会えるだけで嬉しい。
でも私…卒業した。
出来ることならしたくないけど、私…卒業しちゃったよ…
寂しいけど、先生にこうやって見守ってもらえて幸せ。
3ヶ月前の私には、きっとこんな未来なんて想像も出来なかったから……。
先生と目が合って、小さく手を振ると、ニコッと笑って小さく手を振り返してくれた。
一度学校を出て、また戻った。
みんなで写真を撮ったり、お喋りしたり…
卒業したことも、最後だということも忘れて、楽しい時間を過ごしていた。
みんな、良い顔してた。
「はい、チーズ!」
郁と佐野くんのツーショット写真を撮ってあげた。
「咲良ありがと〜!」
「2人とも仲良くね!応援してるよ〜!それから高校に行ってもよろしく!」
「うん!頑張る!よろしくね♪」
「咲良、集合かかってるよ♪行こ!」
「うん!」