ボーダーライン




「咲良〜紀香〜ずっと友達でいてね〜!!」


まなが抱き着いてきた。



「当たり前じゃん!高校違くたって、ずっと友達だよ!まな泣きすぎだし!」


そんなことを言いながらも、涙がこぼれそうになって、上を向いた。



涙で視界がぼやける。



でも、かすかに見える

青空に浮かぶ白い雲。



キレイ……





こんな風に空を見たことは、なかった気がする。




やっぱりお別れは寂しいけど、空を見ると心が落ち着く。





気付けばまなは、ヤナセンのところに行っていた。




言わなくても分かってくれていた紀ちゃん。



何があっても、最後に話しておきたいのはたった一人。



「咲良…先生のとこ、行こ!」


紀ちゃんに手を引かれる。



先生…多分体育館で後片付けしてるんだろうな…。





体育館の入口に立っている先生は、空を眺めていた。








「先生…」



「おうっ!」









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