ボーダーライン
「…………………………」
え………?
よく…分からない。
今の…なに?
「先生…彼女いたの?」
「うん」
あっさり答える先生。
赴任したばかりの頃、私に「彼女いない」って言ったじゃん…。
「出会いない」って……
嘘…ついてたの?
生徒じゃないから、いま本当のことが言えるのかもしれない。
でも…教えてほしかった。
まなや紀ちゃんがいない時に…
私だけに教えてほしかった。
「どのくらい…付き合ってるの…?」
きっと私…声震えてる。
「4年くらいかな。」
「じゃあ…大学生の時から?」
「うん、そうだよ。」
気持ちとは反対に、言葉がどんどん溢れてくる。
隣でまなと紀ちゃんは、明らかに動揺していた。
私が先生に彼女がいたのを知らなかったということに、驚いている様子。
一番驚いてるのは…私だよ。