ボーダーライン





「…………………………」




え………?


よく…分からない。


今の…なに?





「先生…彼女いたの?」



「うん」



あっさり答える先生。



赴任したばかりの頃、私に「彼女いない」って言ったじゃん…。


「出会いない」って……



嘘…ついてたの?




生徒じゃないから、いま本当のことが言えるのかもしれない。



でも…教えてほしかった。



まなや紀ちゃんがいない時に…


私だけに教えてほしかった。





「どのくらい…付き合ってるの…?」



きっと私…声震えてる。



「4年くらいかな。」



「じゃあ…大学生の時から?」



「うん、そうだよ。」



気持ちとは反対に、言葉がどんどん溢れてくる。





隣でまなと紀ちゃんは、明らかに動揺していた。



私が先生に彼女がいたのを知らなかったということに、驚いている様子。




一番驚いてるのは…私だよ。












< 120 / 308 >

この作品をシェア

pagetop