ボーダーライン





ダメ…笑わなきゃ…。


普通にしなきゃ。




「先生は結婚しないの?」



「30過ぎたら…かな。」



「でも、彼女の方は早く結婚したいんじゃない?」



「やっぱそんなもんなのか?」



「そうだよ先生!彼女はきっと待ってるって♪」



心にもないことばっかり口から出てくる…。



本当は結婚なんてしてほしくない。



ずっと先生でいてほしい。



男として、誰かのために生きていくなんて…嫌だ。





でも


先生のカッコ良さで、彼女いないなんて有り得ないんだ。


いて、当たり前だよね。



私は昔の先生の言葉を、すっかり信じていた。



バカみたい…



人は誰でも、嘘をつかなきゃいけない時はあるのに…





私がバカなんだ。








私がバカだから…



まだまだ子供だから…












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