ボーダーライン





先生と一緒にいる今の時間が…すごく辛い…。



離れたくないけど逃げ出したい。



目を閉じて耳を塞ぎたい。




初めてそう思った。











家に帰ってから、何もすることもなくぼーっとしていた。



大好きな高校野球のテレビ中継が、ぼんやり目に映る。



先生との繋がりの一つ。



先生も野球好きなんだよね…。







彼女とは、大学の時から付き合っていて、もう4年になる。



空港の受け付け係をしている人で、先生よりひとつ年下なんだって。



きっと…美人なんだろうな。



彼女はブランド物が大好きでよく買わされるから、気付いたら先生にローンが残ってた時もあったらしい。



先生は恥ずかしそうに笑っていた。



彼女に何でも買っちゃうぐらい、大好きなんだね。



彼女は会社の寮に住んでいて、男子禁制だからなかなか会えないって。



一度だけ見た、先生の赤いスポーツカーの助手席は、彼女だけのものなんだ。



こんな話、本当は聞きたくなかった。



でもどんな内容でも、どうしても知りたいと思ってしまう。





この気持ちって……











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