ボーダーライン
夜の10時。
お父さんが家に帰ってきた。
うちのお父さんは、個人タクシーの運転手。
今日は、年に一度のドライバーさん同士での飲み会があったんだって。
「お父さんおかえり!」
「ただいま」
少し疲れた顔でネクタイを外すお父さん。
すると突然、私の顔を見て、何かを思い出したようにお父さんがニヤニヤし出した。
「何…?」
「咲良がよく話してた、中学の先生で結城っていたよな?」
「うん、先生がどうしたの?」
「いや〜、すごい面白いことを知ってしまった…!」
面白い話?
何で先生が出てくるの?
「何?教えてよー!」
「実はな………」