ボーダーライン
「えっ?」
胸の鼓動が高鳴る。
頭がぼーとして顔が赤らむ。
「話したいこといっぱいあるんだろ?」
「……別に相談室行くまでじゃないでしょ!!」
「ハハハ、冗談だよ!あそこのベンチ行くか?」
先生はあのベンチを指さして言った。
「うん…!」
本当は、相談室行きたい
なんて思ってた。
死んでもそんなこと、絶対に言えないけどね…
あのベンチ…か。
懐かしいな…。
ちょうど去年の今頃、敬太先輩にフラれて…
先生に慰めてもらったあの場所……あのベンチだ。
先生の隣に座った。
あの頃は、恥ずかしくて隣に座れなかったんだよね。
目の前では、サッカー部や陸上部が練習している。
体育館からは、バスケ部の足音がよく聞こえる。