ボーダーライン
2月の終わり
夕方コンビニに行こうと思って、中学の前を自転車で通った時。
自転車で帰る結城とたまたま会った。
「結城…先生」
普段あまり話さないし、呼び捨てだから「先生」をつけるのは慣れない。
二人自転車で並んで、途中まで結城と話していた。
「咲良、結城先生と話してるとき、すっごく楽しそうなんだよ。」
「そうかあ?俺がいつもボケてるからじゃねえの?」
結城は…咲良の気持ち、気付いてないのかな?
「咲良、敬太先輩にフラれてすごくショック受けててさ…でも先生がいたから笑えるようになったし、吹っ切れたんだと思う。」
「そうなのか…」
「先生…?これからも、咲良のこと笑わせてあげてね!」
「こっちこそ、お願いするよ。杉本のこと、頼むよな!」
結城は…どんな意味でそう言ったの?
咲良のこと特別に思ってくれてるの?