ボーダーライン





たまに、沈黙になってしまう。



先生…何か喋ってよ〜!




いても立ってもいられなくて、自分から無理矢理話題を作っちゃう。



「風気持ちいいね。」



なんて無理に笑顔作ったりして。




20分ぐらいして、人気のない道に入った。



「先生、ここどこ?」



「ここにはキャンプ場とかあるんだ。夜景とか綺麗だし!」



そう言いながらそのキャンプ場の駐車場に入った。



彼女と来たことがあるのかな?



慣れたように駐車場に車を停める先生。


先生、ほんとに運転上手だね。



バックをするときの、後ろを振り返る顔、背もたれに腕をかける瞬間、ドキッとする。



これがみんなが言う、男性のドキッとする仕草なんだ。




車を降りると、全く人気がなかった。



風だけが肌に感じられる。



キャンプ場の近くの小さな丘のようなところを登った。



私のサンダルのヒールの音と、先生の声と私の笑い声。



今、ここには

私と先生しかいなかった。






丘を登りきると、少し雲がかかっていながらも、綺麗な夜景が目に飛び込んだ。



「キレイ……!やばいよ先生!キレイ過ぎる!」



「そっか?ならよかった!晴れてないからあんまりキレイじゃないよな〜」



「そんなことないよ!!十分だよ!」













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