ボーダーライン





「ちょっと座って話すか?」



「うん。」




あれ?どうしてかな?



さっきまでの緊張が、今はどこにもない。



体中で幸せを感じて、心の底から笑顔になれる。





小さなベンチ、先生の隣に座った。



先生の話をいっぱい聞けた。



クラスを持つのって、結構大変なんだね…。



「ここだけの話だぞ」


そう言いながら、最近あった生徒同士での問題を話してくれた。



親も出てきて、すごく大変だったみたい。



教師って大変なんだあ…





誰もいないこの空間、時間。



誰にも邪魔されることなく、先生の隣で笑っていられる。



先生のこと、いま独り占めしてるんだよ。



幸せ…


幸せだよ…。




先生といま、同じ時間を共有していること、


先生といま、同じ空気を吸っていること、



すごく嬉しかった。



変だって言われるかもしれないけど、すごく嬉しかった。




いまだけは、先生じゃないよね…?


私は、生徒でも卒業生でもないよね?






「なあ、自分の兄貴と同い年の男とドライブに来るってどうよ?」



「どうよって?」



「自分で、変な感じじゃないのか?」













< 166 / 308 >

この作品をシェア

pagetop