ボーダーライン
「ちょっと座って話すか?」
「うん。」
あれ?どうしてかな?
さっきまでの緊張が、今はどこにもない。
体中で幸せを感じて、心の底から笑顔になれる。
小さなベンチ、先生の隣に座った。
先生の話をいっぱい聞けた。
クラスを持つのって、結構大変なんだね…。
「ここだけの話だぞ」
そう言いながら、最近あった生徒同士での問題を話してくれた。
親も出てきて、すごく大変だったみたい。
教師って大変なんだあ…
誰もいないこの空間、時間。
誰にも邪魔されることなく、先生の隣で笑っていられる。
先生のこと、いま独り占めしてるんだよ。
幸せ…
幸せだよ…。
先生といま、同じ時間を共有していること、
先生といま、同じ空気を吸っていること、
すごく嬉しかった。
変だって言われるかもしれないけど、すごく嬉しかった。
いまだけは、先生じゃないよね…?
私は、生徒でも卒業生でもないよね?
「なあ、自分の兄貴と同い年の男とドライブに来るってどうよ?」
「どうよって?」
「自分で、変な感じじゃないのか?」