ボーダーライン
う〜ん………
「やっぱり、先生とお兄ちゃんは…別…かな?」
「別…?」
「うん。同い年でも、先生とお兄ちゃんは性格もタイプも全然違うし…同い年って感じがしないってゆうか………」
自分の言いたいことが、上手く言えない…。
「とにかく、先生とお兄ちゃんが同い年でも関係ないもんっ!先生は先生だよ!」
年齢なんて関係ない。
「何だそれ!」
と言いながら先生は笑っていた。
ほんとだよ…。
同い年でも、関係ない。
歳が離れていても、関係ないよ。
先生をお兄ちゃんみたいだ、なんて思ったこともないし。
「先生いま何時?」
「…?うわっ!やべえ!10時40分!そろそろ行くか!!」
「うん…」
聞くんじゃなかった。
もっと、ずっと一緒にいたかったなあ…。
先生は私の心が読めるのかな?
駐車場までの道は、登るときよりも降りたときの方が長かった気がした。
私にかけられた魔法はホントにあっという間だ。
この空気、
この時間、
なくなることが寂しかった。