ボーダーライン
幸せだと思えば思うほど、時間は容赦なく過ぎていく。
お願い神様…時間を止めて。
「着いちゃった…」
私の夢のような願いも虚しく、待ち合わせのコンビニに着いてしまった。
「先生、今日はありがとう。」
「おう!今度はもうちょっと時間作って行けたら良いな。」
「うん…?」
「じゃあな、気つけて帰れよ!」
「バイバイ…」
先生が手伝うようにドアを開けようとしてくれる。
「あ、ありがと!」
「おう!」
一瞬手が触れた。
また…あのドキドキが蘇る。
先生の車から降りた。
車のドア…閉めたくなかった。
小さな声で呟いた。
「バイバイ…」
先生はニコッと笑って手を振り、車を走らせた。
見えなくなるまで先生の車に手を振った。
先生、ホントにありがとう。
幸せ過ぎて怖いくらいだった。