ボーダーライン
わざと聞こえるように、一部の女子の悪口を言ったり
その子に紙屑を投げたり…
「あいつきもすぎ!!」
嫌な笑い声が教室に響く。
これは遊びやふざけでやっているものじゃない。
完全に「イジメ」だ。
山本たちの行動は日に日にエスカレートしていった。
その標的になったのが、あーちゃんと呼ばれている、頭の良いクラスのまとめ役の女の子だった。
あーちゃんはとにかく明るくて元気な子で、体育祭も文化祭も積極的に取り組んでいた。
あーちゃんが標的にされるなんて意外だなって、紗耶香たちも思っていた。
でも、誰も山本たちを止めることは出来なかった。
女子はみんな、いつ自分が標的にされるか…ってそればかり考えている。
自分のことで、精一杯だった。
私も正直、人の心配が出来るほどの余裕はなかった。
標的にされるのが…怖い。