ボーダーライン
あーちゃんは、強い子だよ。
何も出来ない自分が嫌で嫌で仕方なかった…。
私が同じような目にあったら、どうするだろうと考えるだけで怖くなった。
あーちゃんも怖かったんだ…
そして一週間が過ぎて、山本たちの停学処分が解けた。
以前ほどひどくなくなって、みんな安心している。
むしろ大人しいくらい。
停学にもなれば大人しくなるんだと安心しきった矢先、不安は一気に増す。
また最近、復活しているような気がしてならない…。
授業中ざわつくようになり、またあの笑い声も頻繁に聞こえる。
何か起こる度に、私は紗耶香と一緒に担任に話すようにした。
やばいことが起こってからじゃ、遅いから。
ささいなことでも、担任に全て話した。
担任は動いてくれるか分かんないけど……。
日が沈むのが随分早くなった。
白い吐息が季節を語る。
12月になった。
前に比べたらまだ平和な学校生活が送れるようになった。
このまま何も起きないことを願う。