ボーダーライン
あのドライブ以来、私は空を見上げることが多くなった。
バイトの帰り道、夜空を見るたびに、先生のことを思い出していた。
星が多く見えるときは、何だか嬉しくなって、
雲に覆われて星が見えない日は、何だか切なかった。
「咲良、嫌か?」
敦史は私の顔を覗きこんで心配していた。
今は、敦史と一緒にいるんだから…楽しまなきゃ!
「うん、行こう♪」
もう6時か…あっという間だ。
当然日も暮れている。
最上階に着いた。
エレベーターが開いた瞬間…
大きなガラスの向こうに見えるのは…すっごくキレイな夜景だった。
「キレイ…」
「そうだな…!」
その夜景は、先生と見たものより、とってもキレイで…雲ひとつないキレイな夜空だった。