ボーダーライン
まただよ…
どうして…先生のことなんか思い出しちゃうのかな…。
敦史にだって申し訳ない。
しばらく2人で夜景に見とれていた。
周りのカップルの声なんて耳にも入らず、誰もいないようで…時間が止まったように……
すると敦史の手が、私の手にそっと触れた。
そして、敦史は私の手を優しく握ってくれた。
ビックリして、
何も言葉に出来ない。
目の前の夜景をじっと見つめることしか出来なかった。
「咲良…」
「……何?」
やっと喋れた…。
手は、繋いだまま。
ゆっくりと敦史を見上げると、敦史もこっちを見ていた。
夜景に見とれていたのは私だけだったんだ……。
「俺…咲良のこと……」
え……
これって…何か…
告白のにおい…?