ボーダーライン
「オレ、咲良に好きになってほしい。…お前が長い間、恋が出来なかったのは愛美から何となく聞いてた。」
「うん…」
「咲良のこと、もっと知りたいし、オレのことも、もっと知ってほしい。だからオレと付き合って、オレのそばにいてよ。」
ずっと思ってた。
敦史の大きな目は、先生によく似ていて…吸い込まれそう。
優しく微笑む敦史の顔が、私の心を癒してくれた。
敦史の顔から目を反らすと、
目の前には、夜景。
先生の笑顔を思い出す。
ダメ…ダメ…!
必死で先生を頭の中からかき消した。
敦史とちゃんと向き合おう。
もう夜景は見ない。
敦史だけを見る。
「敦史、私でいいの?」
「オレは咲良が良いんだよ!」