ボーダーライン
「わりい…バレーの練習行かなきゃいけないんだ。」
「そっかあ…」
「また今度来て!じゃあな!」
先生…行っちゃった。
先生のジャージを力強く掴んで、「行かないで」と言いたかった。
それくらい、先生がどこかへ行っちゃうのが寂しかった。
なんか私…変だよね。
見えなくなるまで、先生の背中をずっと見ていた。
先生…もっと話したかったよ。
「結城先生、行っちゃったね。」
「うん…先生も忙しいから仕方ないよね。ごめんね郁、せっかく一緒に来てくれたのに。」
「私は大丈夫だよ!」
「ホントにゴメンね、帰ろっか。」