ボーダーライン
しばらくして、先生は下に降りて来てくれた。
でも、先生はグラウンドの端にある、いつものベンチに座り出す。
私が先生の所に行くのを、待ってるんだね。
何となく先生の気持ちを読んだ。
「せんせ〜」
自分から先生の所に行って、私は先生の、斜め後ろにあるベンチに座った。
先生の隣には座らない。
何となく…恥ずかしいから。
斜め後ろから見る先生の姿。
その角度から見る先生の顔も
カッコイイなって思う。
フラれても、先生のことを考えるだけの余裕はあった。
「昨日…フラれちゃった。」
先生は、じっと前だけを見つめて頷いた。
「まあ…そんな話かなあとは思ってた…けど、そいつ一発殴ってやれよ!俺が気が済まねえ…!」
不器用な先生が、
必死になって言ってくれる。
何だか笑っちゃうね。
あれだけ私の恋を
反対し続けてたのに
先生は優しいんだね。
先生…ありがとう。
私が出来事を話すたびに、先生は頷いて聞いてくれた。
でも、1人でいる時間は
いっそう私を孤独にさせる。
昨日の夜、
敬太先輩からのメールを思い出して、また泣きそうになる。
咲良とは付き合えない
咲良とは付き合えない
咲良とは付き合えない
これが…現実なんだ…。