ボーダーライン


先生はなかなか
現れなかった。


まなと紀ちゃんと郁が、一緒に待ってくれた。





先生が担任をしていたクラスの教室から、楽しそうな声が聞こえる。


バレー部の次は、
クラスの生徒たち。


先生は人気者だね。





私は先生と何の関係もないのに、良いのかな。


こうやって
先生を待ってたりして。



私は

先生が最初に受け持った生徒じゃないし

先生が今年受け持った生徒じゃないし

先生が副顧問をしていたサッカー部の部員じゃないし

先生が顧問をしていたバレー部の部員じゃない。



何の関わりもない
ただの卒業生。




でも、誰よりも先生のことが大好きな卒業生。


誰にも負けない
大きな気持ちがある。


< 272 / 308 >

この作品をシェア

pagetop