ボーダーライン
先生はなかなか
現れなかった。
まなと紀ちゃんと郁が、一緒に待ってくれた。
先生が担任をしていたクラスの教室から、楽しそうな声が聞こえる。
バレー部の次は、
クラスの生徒たち。
先生は人気者だね。
私は先生と何の関係もないのに、良いのかな。
こうやって
先生を待ってたりして。
私は
先生が最初に受け持った生徒じゃないし
先生が今年受け持った生徒じゃないし
先生が副顧問をしていたサッカー部の部員じゃないし
先生が顧問をしていたバレー部の部員じゃない。
何の関わりもない
ただの卒業生。
でも、誰よりも先生のことが大好きな卒業生。
誰にも負けない
大きな気持ちがある。