ボーダーライン
後回しにされたっていい。
むしろ、先生と最後に話した人物でいたい。
先生の記憶に
一番新しく残るから。
私は待つよ。
もうすぐ先生と話せる。
そう思うと、先生を待っている時間は、ほんの少し幸せだと思える。
「結城先生遅いね〜!何してんだろね…!」
郁が呟いた。
いつの間にか他の同級生の子たちは帰っていた。
「さっき、1年生の教室でひとつだけ電気ついてた。多分教室にいると思う。」
「よし!教室行こう!!」
「えっ!?」
紀ちゃんの思わぬ発言。
「でも…邪魔しちゃ悪いし…」
「大丈夫だって!見に行くだけだから!!」
そう言って、紀ちゃんと郁は教室に向かって歩き出した。
「咲良どうする?」
「うん…うちらも行こっか。」
私とまなも、2人の後について歩き出した。