ボーダーライン



先生に言いたいこと…
たくさんある。


ちゃんと言いたいのに
言えないよ…。





また沈黙が続いて、先生は、少し離れて私を待ってくれていた紀ちゃんたちに話しかけだした。



去年の離任式を
思い出した。


やめてよ…笑わないで。


私以外の子に
笑いかけないで……。





我慢できなくなって、私は先生と紀ちゃんたちから背を向けた。


私だけそこにいないみたいに、先生や紀ちゃんたちは楽しそうに話している。




紀ちゃんたちは、私の気持ちなんて全然知らない。


まなだって知らない。


だから仕方のないことかもしれないけど…やだ。


楽しそうに話さないで。






一気に涙が溢れ出た。


先生への恋心ゆえの嫉妬と、先生がいなくなる現実と…


いろんな気持ちが混ざり合って、涙が出た。





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