ボーダーライン
紀ちゃんたちとの楽しそうな会話の中で、先生は一度だけ泣き止んだ私の方を見てくれた。
みんなが気付かないくらいすごく自然に
眉を下げて優しく微笑んで
言ってくれた。
「俺は、あっちにいるから。橋越えたとこにいるから。咲島のグラウンドで野球部教えてるから…また見においで。」
ドキッ……
「うん…!」
嬉しさでいっぱいで、泣いてたことなんか忘れて、笑顔で大きく頷いた。
先生が
私を笑顔にしてくれた。
それが先生の
優しさなんだね。
もうドライブに行きたいなんて言わないから。
「一生会えない」
なんて言わないでくれて、ありがとう。
「先生!一緒に写真撮ろうよ!ほら〜咲良も!!」