ボーダーライン


紀ちゃんは気が利くのか、おせっかいなだけなのか…私は強引に引っ張られた。



無理矢理先生の隣に立たされて、もう一方の先生の隣には紀ちゃんと郁が立った。





まながシャッターを押そうとした瞬間に、私は先生たちから離れた。




「おいおい!そんなとこ行ったら写んねえぞ?」


「咲良何してんの〜!ほら早く〜!」


「私は良いよ。」


「なんで!?」




まなが険しい顔をしてる。








最後だけ
わがままを聞いてね、先生。


「私、先生と2人で一緒に撮るもん……!」


「俺と2人か…!分かった分かった!!」




背を向けていたから分からなかったけど、きっと先生は微笑んでいたと思う。






紀ちゃんたちが写真を撮っている間、私は背を向けたまま先生を見なかった。


好きな人が違う女の子と写真を撮っているところなんか、見たくないもん。


目に見えるヤキモチ。


でも…最後のヤキモチ。


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