ボーダーライン

夏の記憶






フラれて何日か経って、たまに敬太先輩とメールはしていた。






゙いつも通りまた気軽にメールしてくれよな!゙




それは、敬太先輩の精一杯の優しさなのかもしれない。



嬉しかったけど、
でもやっぱり寂しかった。




私ね


゙敬太先輩の恋、応援します!゙


なんて、見栄を張ってメールしちゃったんだ。






本当は、そんなこと
思ってない。



自分の幸せよりも、好きな人の幸せを喜べるほど私はまだ大人じゃない。



私たちを繋いでくれる唯一の手段

メールだけは、失いたくなかった。



明るく振る舞えば、前みたいに楽しくメールが出来る。




そう思ったから、
私はあえて嘘をついたんだ…





でも…あれだけ思わせぶりなことをされて、期待したのに傷つけられて…

何で嫌いになれないんだろ。







やっぱり大好きなんだ…


好きな人がいたって、もうこの気持ちを止めることなんて出来ない。







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