ボーダーライン
「はい、チーズ!…次!咲良の番ね!」
「うん…!」
先生の隣に立った。
何だか恥ずかしい…
先生がピースをした右腕が、さりげなく私の肩に触れる。
たったそれだけのことなのに、ドキドキするよ…。
好きだよ。
先生…
「はい、チーズ!」
それから何枚も先生と
写真を撮った。
とにかく、先生の顔をたくさん写真に残したかった。
何かを形に残したくて、写真を撮るのは、全てが本当に終わりだと言われている気がした。
本当に終わりだから
何枚も写真を撮ったんだ。
「そんなに写真撮るんだったら俺の携帯でも撮ってくれよ!」
先生は誰との
写真を撮ってもらうんだろう。
そっと先生のそばから離れた。