ボーダーライン

最後の時間



「私も一緒に職員室まで行く!」


まるでお父さんにくっつき回る娘のように、先生の隣から離れなかった。


…離れたくなかった。





「半分持つよ!」


両手いっぱいに持っていたゴミ袋や先生の荷物を半分持ってみる。






そして職員室へ歩き出した。






この学校の校舎で、先生と並んで歩くのは初めてかもしれない。


二人きりじゃないけど、
幸せだよ。






先生と私の間に
また重い沈黙が続いた。


後ろではまなたち三人が盛り上がって話していて、余計沈黙がきつい。




でも、言わなきゃ。









「先生…?」


「どした?」









「あの……



この前は、メールで困らせるようなことばかり言って…ごめんね。」




ずっと
謝りたかったんだ。


先生を
困らせちゃったこと。




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