ボーダーライン


心の苦しみが、
また取り除かれた。


こうやって今、心から笑っていられるのは、先生のおかげ。


先生の力。








あっという間に
職員室まで来てしまった。



幸せだと思える時間ほど、すぐに終わりが訪れる。




やだよ…

この時間が
ずっと続いてほしい。









私が力強く
左手に持っていた先生の荷物。


先生が私の左手から
荷物をそっと取り上げた。




荷物から離れた私の左手が、寂しいって叫んでる。


先生大好き
って必死で叫んでる。




そんな一瞬が
本当に悲しい。










「先生…今までありがとう。」


少し照れた先生は

「いえいえ」

とキョロキョロしながら
言っていた。


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