ボーダーライン
職員室のドアが閉まる前に、
私は走り出した。
余計寂しくなるから…。
先生に
「さよなら」は言わなかった。
もしかしたらもう会えないかもしれないけど、また会えそうな気がしたんだ。
だって、先生と私の間に、奇跡は何度も起こったんだから。
奇跡はまた起こる。
また、会えるよね。
私はきっと、先生とまた会っちゃう運命なんだよ。
校舎を出ると、暖かい…気持ち良い日差しに包まれた。
また先生が
遠くなっちゃったね。
中学校の校庭に咲いた、まだ七分咲きの桜を横目に見ながら、学校を出た。
いつの間にか、空は雲ひとつないキレイな青空だった。
心の闇がまた少し晴れて
気持ちが軽くなった。
私…頑張るよ。