ボーダーライン
「結城先生、2学期で学校辞めちゃうかもしれないみたいですよ!」
一瞬頭の中が真っ白になった。
…何で?
「中野先生が戻ってくるって言ってました!」
何で?
「あ…でもただの噂なんで、あまり気にしないでくださいね。」
先生…。
どうして…?
噂なんかじゃない気がする。
先生は中野の代わり。
休暇をとった中野が、いつ帰ってきてもおかしくない。
後輩に気を使わせないように、無理して笑っていたけど、まなには見破られていたみたい。
2人でぼーっとサッカーの練習を見ていた。
「咲良…結城のこと、好き?その…先生とか関係なしでさ。」
「え…?」
「前から見てて思ってたんだけど……」
私が先生に恋をしている…?
ずっと歳の離れた先生に
私が恋をしてるの…?
「いやっ嘘嘘!変なこと言ってごめん。てか咲良はまだ敬太先輩のこと、完全に諦めきれてないんだよね。」
「そうだよ…!まなってば〜!」
そうだよ、私。
これは恋じゃない。
だって、先生は先生じゃん。