ボーダーライン
放課後、薄暗くなるまで先生を待っていた。
10月も終わりに近づけば、日が沈むのも早いんだね。
私のわがままに、
まなが付き合ってくれた。
まな、本当にありがと!
ベンチに座って、先生が下に降りてくるのを待っていた。
職員室まで行く勇気はない…
「まな〜志望校決まった?」
「私は北川かな。」
「北川かあ〜!結構ここから近いね!」
たまに他校で練習するんだけど、その咲島中学の近くの学校だ。
「咲良は?決まった?」
「私は…南野高校。」
学校見学に行ったり…いろいろ悩んだ末、この学校が1番自分に合っていると思った。
「高校離ればなれになっちゃうけど、ずっと友達だよ〜!」
「当たり前じゃん!まなってば、卒業する訳じゃないのに!気が早いよ〜」
「へへへ…」
恥ずかしそうに笑うまなの顔色が急に変わった。
「……!咲良!あれ…!」
目を大きくしてかなり驚いているまな。
「え…なに?」