ボーダーライン

限られた時間






一緒に帰ったあの日から、私はいつも遠くから先生を見ているだけだった。



3年校舎の窓から先生を、いつも見ていた…。




先生は放課後、いつもトイレの掃除当番が来るのを待ってるんだ。




それを眺めていると、嬉しい気持ちにもなるし、寂しくもなる。




2年生の男子とじゃれあっている先生。


女子に話しかけられて笑って返す先生…。




そんな時、先生を遠く感じる。



やっぱり、
先生は先生なんだよね。





そうやっていつの間にか


先生を目で追うこと

先生を目で探すこと


私の癖になっていた。







寂しいけど、こうやって見ているだけでも構わない。





いまは、一秒足りとも時間を無駄にしたくない。










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