ボーダーライン
「うおっ!ビックリした…大丈夫か?」
「うん…」
先生だ…。
久しぶりに近くで見る先生の顔。
急に恥ずかしくなってうつむいた。
距離感を持つためにまた廊下に出て顔を上げた。
少し見上げると視線が合う。
「あ…先生!模擬テストの結果持ってきたよ!」
「おう、そっかそっか!楽しみだな!事務室にちょっと行ってくるから待ってて!」
「うん!」
先生は、ニヤリと笑って階段を降りて行った。
そんなに待った気がしなかった。
待っている時間が幸せ過ぎて、時間なんて忘れていた。
先生は用事を済ませて戻ってきた。
ニヤニヤする私に
「どれどれ?」
と先生もニヤニヤして結果を見る。
結果が良かった訳じゃない。
先生と話すのがずっと楽しみだったから、嬉しくて仕方ないんだ。