ボーダーライン




「じゃあちょっと俺、サッカー部見てくるわ!またあの先生に怒られるしな。…あ!今の発言は禁句で!」


先生はそんな冗談を言って、いつも私を笑わせてくれるよね。


「どうしよっかな〜?……なーんてね♪うん、わかったわかった。誰にも言わないよっ☆」


「マジで頼む!じゃあまたな!」


「うん、ばいばい。」



先生は足速に
階段を降りて行った。



魔法はあっという間にとける…






私の肩をトントンと叩く誰か



「さ〜くらっ!」



「あれ?郁…!どしたの?」


「ノート提出しに行ってたの。あ、途中まで一緒に帰ろうよ!」



「うん…!」






日差しだけが暖かい
12月の空。



「さっき、結城先生と話してたの?ほんっとに仲良いよね〜♪」



「そんなことないよ〜。」


なんだかテレちゃうな。



「見てたら分かるよ、先生大好きオーラ出てるもん♪」



「ホントに?」



「うん!」



端から見たら、私ってそんな風に映って見えるんだ…。



まあ…顔に出やすいのが私の癖。



どんなに嬉しそうに、幸せそうに笑っていたんだろう…







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