ボーダーライン
三人で歩き出した。
グラウンドを横切って3年校舎から離れた職員室へ。
遠い職員室の窓を見つめた。
「あ…先生…!」
「どこ?」
「あそこだよ〜!」
グラウンドから見えた人。
それは、職員室の廊下の窓からグラウンドを眺めている先生だった。
遠くからだって先生だとはっきり分かる。
視力の良さなら誰にも負けない自信があった。
先生は私たちには気付いていないみたいだった。
「2人とも…ありがとう。もう大丈夫!行ってくるね。」
「私たちは保健室で雑談して待ってるから、ゆっくり話しておいで♪」
校舎まで全力で走った。
私に気付かない先生をちらっと見て、まだ確かにいることを確認しながら。
階段の手前、立ち止まり、大きく深呼吸をした。
「よし!」
職員室へ続く階段を少し駆け足で上ってみる。
その間に、違う生徒が先生と話していたら嫌だから。