ボーダーライン
バレンタイン当日
いつもより早めに起きて、
肩まで伸びた髪を、ほんの少しコテで内巻きにした。
「紀ちゃんおはよ♪受験お疲れ!」
「あれ?咲良今日違うね!」
「うん!ちょっとだけ髪巻いた♪今日バレンタインだから先生に渡すんだあ…!」
「そっかそっか!頑張ってね!」
学校は普段と変わらないけど、やっぱり何となく違う。
女子が何となくハイテンションで、男子までもが妙に盛り上がって見えちゃうんだよね。
午前の授業が終わって
昼ご飯を食べて
いざ、出陣…!
「咲良、頑張ってね!」
郁がポンッと肩を叩く。
「郁も放課後頑張ってね〜♪」
「ありがと♪」
郁はずっと好きだった同じクラスの佐野くんに渡すんだって!
大好きな郁だから、ほんとに頑張ってほしいよ。
そして
まなと一緒に職員室へ。
緊張しなくていいのに…
普通に渡せばいいのに…
いつものノリで普通に話せばいいだけなのに…
なんか緊張する…!
落ち着け、自分!!