男の娘だって狼です【ONLOOKER番外】
まだ少し赤い顔のまま、小首を傾げる。
里吉は目を細めた。
ムキになってかかってくる子猫を、やたらとからかいたくなるのに似ている。
少し日本にいる間に、あの生徒会長の嗜好が移ったみたいだ、と、人のせいにしてみたり。
「例えば」
里吉は、目を細めたまま、笑った。
「こういうこと」
細い肩を押して、壁際に追い詰めて。
驚いたように見上げてくる鳴海の耳元に、口を近付ける。
自分の体ごと、壁に押し付けるように体重をかけた。
「え、」