オサナナジミ

そこにわ
少し悲しい表情をした東くんがいた。
その顔を見て、
息をのんだ。

なんだか、
声をかけたらいけない気がして…


「宇佐美さん」
「な、何してるの?」
「飯、食ってた」
「一人で?」
「うん」


あ、
なんか噂で聞いたことあんだけど
東くん女子に囲まれるのが嫌だからよく一人でいるらしいって言う…
モテるのを拒んでるらしいって…
嫌みか!


「隣、座りなよ」
「うん」


屋上の真ん中で
少し距離をあけて座った。


「お昼わ?」
「食べてない」
「これいる?」


差し出したのわ、
購買で買ったであろうメロンパン。

「うん」
「…ぶっw」

東くんわ
お腹を抱えて笑った。
お腹すいてんだからしょうがないじゃん!
笑われながらも
メロンパンを口に運んだ。


「てか、いつものメンバーとじゃないの?」
「うん、はるひと翔のなかのよさに飽きれちゃってー…」
「ふーん」


笑ってしゃべったつもりなのに




笑えなかった。
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