オサナナジミ
▽第三章

真実は箱の中に



「里佳子、帰ろっ」
「…うん」



昇降口で靴を履き替えるはるひを見ながら思う。

はるひ…
信じていいんだよね?
疑っちゃだめだよね?


「里佳子ー!!」

大声で言われ周りの人があたしをみる。


「体調大丈夫?」
「りな…」
「無理すんなよ、」
「賢人…」
「そーゆう時わ合コン!」「さや…」
「あのー、あれだよ、なんか悩み事とかあんならちゃんと相談しろよ?俺達、友達じゃん」
「雅也…」
「里佳子、愛されてるね」
「はるひ…、うん!」


皆の気持ちが嬉しかった。
あたしわ想像以上に愛されてたんだ…


「うっ……」
「あっ!ちょ、雅也のせいで里佳子泣いちゃったじゃん!」
「え、俺?!」
「ご、ごめんね。皆の気持ちが嬉しくて…」



今日は2回も泣いた。
だけど、
その内の1回のわ
温かい涙
だった。

友達の
偉大さが
温かさが


嬉しかった。
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