オサナナジミ

キーンコーンカーンコーン

「起立、礼」
「じゃあHR始めます」

先生がそう言って
プリントを配り始めた。
みんなが後ろにプリントを回す。
翔がプリントを回しながらあたしを見た。

ドキッ

「…こ!……り………」「里佳子!」
「えっ?!」
「プリント、落ちてるよ」
「あ、…ありがと」
「しっかり〜」

机の下に落ちているプリントを広いあげ、
もう一度翔を見た。

"バーカ"

口パクでそう言ってた。
うっ…
馬鹿じゃないもん

プリントを後ろの
東くんに渡す。


「はい」
「ありがとう」

東くんは小さく笑った。東くんはミステリアスだ。
ややモテるけど
あたしわ苦手。


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